第一話 ~自由~

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――AM 9:00 ヘイル街―― その中にある一見地味なビルの二階に、風変わりな営業を一人で営んでいる事務所があった。 「日差しがあったかいね~」 青年はのほほんとした口調でそう呟く。 このところ仕事の依頼が無いので暇なのだ。だから窓の近くで日向ぼっこをしながら一日を過ごす。それは彼の趣味の一つであった。 「気持ち良い~。レスターも日向ぼっこする~?」 レスターとは青年が飼っているインコのことだ。 「レスター、返事してよ~」 だがレスターは餌を食べるのに夢中で見向きもしない。そして食べ終わった後にも声をかけてみたが、結局返事は返ってこなかった。 そのことに青年は少しムスっとして、机の上に組んだ腕の中に顔をうずめる。 「もういいよ。俺寝るか…―――」 「クルマキタゾ」 レスターが喋るのと同時に青年は立ち上がると、窓の外へ視線を向けた。 黒い車が一台ビルの前で停まり、二人の男が降りてくる。 「久々のお客さんかなぁ?」 青年は窓の側から離れ、応接用のソファに腰を掛けた。 しばらくしてドアが開く。入ってきたのはやはり先程見た二人の男だった。 青年は彼らにソファに座るよう促し、話を聞く体勢をとる。先に口を開いたのはやけに態度が偉そうな男だった。 「今日はある人探しをやってもらいたくて来た」
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