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光を知らない黒猫がいる
無へと誘う白猫がいる
「光は闇の向こうにあるよ。僕が連れていってあげる!」
白猫のその言葉に誘われし黒猫は
光を求めて白猫の後を追いかける
「教えてあげる。真実を…」
闇の向こうにあったのは
「闇の向こうにあるのはね
無という名の死なんだよ…」
紅く染まった黒猫の
その瞳に映った最後の光景は
ニヤリと笑い消えてゆく
光に囲まれた白猫の姿…
あぁ、やっと…光を……
そして光を求めた黒猫は
無へと誘う白猫になり
光を求める黒猫を探して
今もなお 闇の中を彷徨っている…。
これは白猫と黒猫の話。永遠に続く迷子の話。
「ねぇ、光を見せてあげようか…?」
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