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翌日、起きたらなぜか11時半だった。
いやぁ。
驚いた驚いた。
早起きが2日続かないのは分かっていたが、ここまで全力で寝坊するものか。
よたよた着替えつつ鏡を見る。
……………。
いや、今日はやめておこう。
朝の儀式をやらないのは若干気持ち悪いが、
自分を試してみるか。
そこで携帯を見ると恭子からメールがきていた。
恭子「怒らせちゃったかな…ホントにゴメンね?」
う~む。
10時間も経ってるではないか。
とりあえず返事してみる。
俺「あぁ、怒った。怒ったから今度昼飯でもおごってくれ。」
こんなもんか。
これだけ書いて送ると、俺は学校に急いだ。
学校に着いたのはもう昼休みだった。
これでも結構急いだつもりだったんだが…。
誠二「巧~!よっ。どうだ?傷は癒えたか?」
俺「はぁ…その挨拶はいつまで続くんだ?そろそろ飽きたから次を考えろ。」
誠二「ふぅん…どーやら今日は大丈夫そうだな。」
俺「俺はいつでも元気ハツラツだ。」
誠二「嘘つけ~。河原にフラれた時は、この世の終わりみたいな顔してたぞ?」
俺「よし。これから俺は、誠二もそんな顔が出来るように頑張ろう。」
誠二「残念。俺には彼女いないし~。」
俺「いや、彼女がいなくてもこの世の終わりは見せられると思うんだ。」
誠二「…頼む。巧がそーゆーことを真顔で言うのは辞めてくれ。ホントに行動にうつされそうだ。」
俺「うつすつもりだったんだが…」
誠二「なおさら悪いわぁ!」
よし。朝の儀式をやらなかったのに普段通りに振る舞えてるらしい。
なんとかなったな。
その日の部活も絶好調だった。
100射ほどやったはずなんだが、5射しか外さなかった。
美優「とことん絶好調だね。話し掛けても無視されるんだもん。」
俺「無視なんかしてないぞ。まったく聞こえてなかっただけだな。」
美優「巧の集中力の凄さを見せつけられたよ。ホントに尊敬しちゃうなぁ。」
俺「ふった元カレを尊敬してんじゃないよ。俺はもう上がるから、美優はもう少しやってこい。」
美優「うん。負けらんないねっ!」
言ってから気付いたんだが、別れたことを掛け合いに使えるほど回復しているらしい。
着替えてから中庭を通ってると…いた。
坂本絢だ。
今日も話し掛けるとするか。
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