2限目~探し物はなんですか?~

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俺「絢は身長どれくらいなんだ?隣に並んで思ったんだが、かなりちっちゃいよなぁ。」 絢「150はありませんね。145くらいだと思います。」 俺「それはちっちゃいなぁ。牛乳飲んどけ。」 絢「高原さんは牛乳を飲んでそこまでになったんですか?」 俺「いや、俺は牛乳嫌いなんだよなぁ。しかも、喫煙者だし。」 絢「タバコなんて辞めた方がいいですよ?百害あって一利なしって言うじゃないですか。」 俺「それは分かってるんだけどなぁ…まぁ、彼女が出来て、その人が止めたら辞めるよ。」 絢「高原さんは彼女いないんですか?」 俺「うん。先月フラれたんだわ。」 絢「あっ…ゴメンなさい。」 俺「いやいや、もう復活してるから気にするなって。」     そうこうしてるうちに弓道場に着いた。     俺「あ、ここ。来れば分かりやすいだろ?」 絢「はい。もう誰もいないんですか?」 俺「いないんじゃないかなぁ…あ、でも電気がついてるからまだいるな。」     そこでふと思い付いた。     俺「今日ってまだ帰らなくていいのか?」 絢「はい。大丈夫ですが…?」 俺「ちょっと待っててくれるかな?ハカマに着替えてくるわ。」 絢「え?でも高原さんはもう終わったんじゃないんですか?」 俺「確認だよ。せっかく絢もいることだしな。じゃあ、そこで待っててくれる?」 絢「はい。」     そう言うと俺は更衣室へ…。     10分後、着替えで戻ったらホントにそのままいた。     俺「中に入ってりゃよかったのに。」 絢「いえ、ここで待つって言いましたから。」     俺は嘆息しつつ絢を弓道場に入れた。     すると、そこにはまだ練習中の美優がいた。     忘れてた。 すっかり忘れてた。 見事に忘れてた。     美優「あれ?巧…上がったんじゃなかったの?」 俺「ん…ちょっと確認したくてな。それに、後輩の見学には俺の方が向いてるだろ?」 美優「後輩…?あっ。」 絢「お邪魔します。練習中ゴメンなさい。」 美優「いえ、いいですよ。見学は自由ですから。」 俺「なんで美優まで敬語になってんだよ。」 美優「えっと…なんでだろ。」     相変わらず抜けてるな。     俺「まぁ、いいや。とりあえず4射やっとくか。俺は集中するから…美優、説明頼む。」 美優「えぇ!?いきなりそんなこと言われても…。」     そこで、美優の声は聞こえなくなった。
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