3限目~その、もう一つ先へ~

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勇樹「巧、今日はどーしたんだ?いつもの変さとは違って、深刻な感じだぞ?」 俺「ちょっと考えなきゃならないことが増えたんすよ…。」     この際、勇樹さんにちょっと聞いてみようか。     俺「勇樹さん。聞いていいっすか?」 勇樹「ん?なんだ?」 俺「彼女さんのこと大好きですよねぇ。」 勇樹「当然だろ?付き合ってんだから。」 俺「どっちから告ったんすか?」 勇樹「相手からだったな。」 俺「なるほど…元々好きだったとか?」 勇樹「いや、それはない。嫌いじゃなかったけど、女友達の一人って感じだったよ。」 俺「付き合おうと思った決め手は?」 勇樹「なんかお前…芸能記者みたいだな。」 俺「事の成り行きにちょっと興味あるんすよ。」 勇樹「そっか。」 俺「で?決め手は?」 勇樹「3日間、彼女のことばかり考えてたら好きになってたな。」     意外な答えだった。 この人はもっとチャラチャラしてるもんだと思っていたな。     俺「考えまくったんですねぇ…。」 勇樹「巧…お前なんかあったんだろ?」 俺「あったと言えばあったんすけど…まぁ、俺なりに考えてみますよ。」 勇樹「そうか…ここまで話したんだから、ちゃんと報告しろよな?」 俺「そうっすね。どんな答えになっても報告しますよ。」     答え…出るのだろうか。 そして、それがどんな結果になるだろうか…。     翌日、部活に絢が見学に来た。     俺「おっ、また来たんだ?」 絢「はい。」 俺「いっそのこと、入部しちゃうか?射ってみたくない?」 絢「見てる方が気持ちいいですよ。」 俺「ふむ…じゃあ、ちょっとやってくるかな。」     しかし、今日の調子は最悪だった。 とことん当たらない。 32射やって、3射しか当たらなかった。     絢「今日はどーしたんでしょうねぇ?」 俺「ん~。どうも調子がよくないみたいだな。集中力がない…まぁ、こーゆー日もあるさ。」 絢「明日は調子上がるといいですね。」 俺「ん。さんきゅ。今日はもう上がるけど、絢も帰るか?」 絢「そうですね。」 美優「あたしは絶好調だよ~。」 俺「おう。長く続くといいな。お疲れ~。」     俺「さて、絢?ちょっと探そうか。」 絢「えっ…でも、練習しなくていいんですか?」 俺「集中力の問題だからな。日に日に変わるのさ」     嘆息しながら答えると、二人は探し始めた。
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