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俺「では、ホーク。報告してくれたまえ。」
誠二「鷲、隼ときて、今度は鷹か。次はなんだ?」
俺「気にするな。さぁ、やってくれたまえ。」
誠二「はい。聞いたところによると、小学生時代に少しいじめられた過去があるそうです。」
なんだと…?
俺「ほぉ…まぁ、それくらいは俺にもあるが。」
誠二「まじでか!?それは一体、どんな命知らずだ!?」
失礼なやつだな。
俺「それはまた今度話そう。さぁ、続きだ。」
誠二「あ、はい。その時に、何か大事なものを取られて隠されたそうです。」
俺「それは興味深いな。で?それはどこのどいつだ?」
誠二「それが…すでに転校してしまって、分からずじまいのようです。」
俺「なるほど…ちなみに、相手の性別は?」
誠二「男女両方のようです。」
俺「それか。男に不信感を持ったり、女の子にも心を開かない原因は。」
誠二「なるほど。それなら説明がつきますね。思い付かなかったなぁ。」
俺「いじめってのは、した側は忘れても、された側は絶対に忘れられないもんなんだよ。まぁ、俺はキッチリ復讐したけどな。」
誠二「復讐のこともかなり気になるんだけど…。」
なかなかのことをしたなぁ…危ないふりをして、笑いながら喧嘩したり…これ以上は言えないが。
俺「今度話すから。で?報告は以上かね?」
誠二「はい。ここまでになります。」
俺「今回の情報はなかなかハイレベルだったな。よし、ちょっと付いてきなさい。」
誠二「なんでしょう?」
俺「ジュースをおごってあげよう。」
誠二「なっ…まじっすか!?」
なんか、すさまじく嬉しそうだな。
これはおごり甲斐もあるってもんだ。
う~む…。
いじめられたのか…。
俺みたいな特殊な例を除けば、やられたまま…もしくは、違う相手をいじめたかのどちらかだろうが…。
絢の性格上、後者とは考えにくい。
まぁ、最近出逢った俺が言い切るのも変だが、そう思える。
とすると…泣き寝入りしてた揚げ句、大事な何かを隠されたってことか…。
参ったなぁ…。
これはなかなか難儀だぞ。
まぁ、同情がどうのってことにこだわるのも分かる気がする。
その上であんな綺麗な笑顔が出来る…。
凄い子だな。
聞いたからには、探し物にしてもなんにしても、もっと力になってやらなきゃな…。
俺は決意を新たにしたのだった。
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