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その日のバイトは散々だった。
あ、俺がバイトしてんのは学校には内緒な?
無理に独立した高校生にとって、バイトはライフラインなんだ。
ここを追い出されたら俺の生活がえらいことになるんだよ。
話を戻そう。
普段ならやらないようなミスを連発してしまった。
タバコを買うお客の袋に毎回箸を入れていたのはなぜだろうか…?
恭子「巧君…今日はどうしたの?やってることがいつもより数段変だよ?」
失礼なことを言ってきたのは小山恭子。
バイトの仲間だ。1つ上だったかな?
私立の女子校に通ってるらしい。
勇樹「恭子。俺には普段通りにしか見えないぜ?巧が変なのは今に始まったことじゃないし。」
恭子よりもさらに失礼なことを言ってきたのは秋村勇樹。
同じくバイトの仲間だ。
大学生らしいが、勉強の質問をしたらはぐらかされた。
勉強が苦手らしい。
ただ、遊びにはよく連れて行ってくれる。
俺「そうそう…恭子。勇樹さんの言う通り、俺はいつものまま…さすらいのハンターなんだよ。」
勇樹「…前言撤回。やっぱりいつもより変だわ。」
恭子「だよね?どーしたの?あたし達でよかったら聞くよ?」
なぜか勇樹さんまで聞くことになってるらしい。
そして俺はファミレスに拉致された。
勇樹さんも一緒に。
-1時間後-
淡々と話す俺。
鼻水ズビズビさせながら今にも泣きそうな恭子。
タバコを吸いながら目がウルウルしてる勇樹さん。
なぜ俺が1番冷静なのだろうか。
政治家とかに向いてるのかもしれない。
恭子「辛かったねぇ~。しんどいねぇ~。はうぅ。」
勇樹「まぁ、巧は変だけど、いいやつだからまた彼女出来るって!俺の大学の子を紹介してやろうか!?」
そこらへんは丁重に断っておいた。
紹介されて付き合ってもうまくいきっこないからな。
俺「まぁ、相手に好きな人が出来たってのは俺にはどうしようもないことだから…。」
恭子「それでいいの!?奪い返すつもりはないの!?」
奪い返すもなにも、好きな人がいるのだから俺に出来ることはないはずだが。
勇樹「そうだ!お前ならやれる!」
注)やれません。
俺「お、俺…明日早いんで帰ります!」
暴走しそうな二人を置いて、俺は帰路に着いた。
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