ホームルーム~自己紹介~

5/5
183人が本棚に入れています
本棚に追加
/103ページ
バイトから帰った俺はシャワーを浴びながらちょっとだけ泣いた。     誰かに見られるってことはないのだが、自分自身をごまかしたかった。     これで少しスッキリ出来るのだから俺は単純だな。 自嘲気味に思いながらタバコに火をつけて笑った。     一人暮らしってのはこーゆー時に大変なんだ。 独りってことをまざまざと思い知らされる。     翌日。 起きたら9時だった。 1限目はすでに始まっている。 嘆息まじりに着替えながら鏡に向かい、俺は大丈夫だと言い聞かせる。 これがここ最近の日課だった。     そして…。 俺の灰色の日常はこの日から色を帯びてくる。         俺は11時頃に学校に着いた。     すると、車が俺の横を通り学校に入っていく。 降りてきたのはうちの学校の制服を来た小さい女の子…。 なるほど。     前にチラっと生徒会の議題に挙がったのだが、 ちょっときつい病気を抱えた女の子が1年にいるらしい。 雰囲気からしてあの子だな。     よし、ここは一丁、生徒会役員として声をかけてみるか。     俺「おはようございます!」 女の子「……………。」     あれ?聞こえなかったかな?     俺「おはようございます!!」 女の子「…………おはようございます(超小声)」     いぶかしげに俺を見てそれだけ言うと、母親らしき人に連れられてスタスタと行ってしまった。         自画自賛するつもりはないが、色んな意味で俺は有名人だ。 かっこいいとか勉強が出来るってことではないのだが、 多分、キャラ勝ちってやつだろう。 生徒会役員なせいもあって1年にも顔は売れてるはずなのだが…。     まぁ、いいか。 気を取り直して教室へ行くことにする。
/103ページ

最初のコメントを投稿しよう!