1限目~色付く日常~

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先生「コラ、高原。学級委員長がこんな時間に来てなんのつもりだ?」     この先生はいつもこうだ。 間に合ったら間に合ったで「珍しいじゃないか」とか言う。     まぁ、俺が遅刻魔なせいもあるんだろうが。     俺は嘆息しながら、     俺「すいません。ちょっとおじいちゃんが夢枕に立って、今日は遅刻していけって言うもんで。」     先生「ふむ。今日のはなかなか前衛的なボケだな。よし、この時間は最初からいたことにしてやろう。座ってよろしい。」     毎回こんな感じで、俺はなんとかなるらしい。 まぁ、妙な役得だな。     こーして、無事授業を終えてボーっとしていたら誠二が来た。     誠二「よっ。巧!どうだ?傷は癒えたか?」 俺「うるせぇよ。わりぃけど、今はそんな気分じゃねぇんだ。」 誠二「あちゃあ…せっかく浮上したと思ったのに、また沈下してるよ。」 俺「ほっとけよ。そのうちまた浮上してやっから。」     そこで俺は気になったことを聞いてみた。     俺「あ、そうそう。あの病気がちな1年の女の子、なんて名前だっけ。」 誠二「なんだよいきなり…確か…坂本…なんだったかなぁ…絢…いや、絢子だったような…。」 俺「あいまいだなぁ…どっちかに決めないと、明日からお前のロッカーに納豆の辛子を入れ続けることになるんだが。」 誠二「なんで俺のせいみたいになってんだよ…ってか、興味持ったのか!?」     興味…どうなんだろうか…? 確かに、あの誰も寄せ付けたくない感じの目付きには興味はなくもないのだが…。     誠二「…よし、調べといてやるよ。それでちょっとは元気になれよな?」     こいつは俺の精神状態をどこまで把握してるのだろうか。 まぁ、友達として動いてくれるのはかなりありがたいもんだな。
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