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真帆は、今日も合コンに出かけた。最近では、2週間に一度は合コンに出かけている。今日の合コン相手は、近くの医大生達だった。真帆達は、バイト仲間のグループだった。
『ねぇ、真帆はあの男でしょう』
トイレの中で、いやらしい目つきで美香が言った。
『なんで、わかるの?』
『だって、真帆の好みはわかりやすいもん』
『えっ、マジで……』
『うん。髪はロン毛で、ワイルド系で、背が高かったら最高でしょう?』
『……』
正直言って図星だった。
『手伝ってあげようか?』
『うん』
真帆は、目を輝かせて、そう答えた。
席に戻ると、美香が気を遣ってくれて、ロン毛のワイルド系の横に座らせてくれた。そいつの名前は、駿だった。
真帆は駿に聞いた。
『駿君は、何型?』
『駿でいいよ。血液型は……新潟』
『マジに答えてよ』
真帆は、そんな冗談に乗る様子もない。かなり真剣に聞いているようだった。
『そんなに起こんないでよ。O型だよ。なんか関係あんの?』
『O型なんだ……』
真帆がなにか考えている様子に、駿は不安そうに聞いた。
『ダメなの?』
『ううん、最高!』
『マジ、よかった』
いつも、真帆は、最初に男のいろいろと質問をする。それは、何かに当てはめようとしているようだった。
『次は?』
と、駿がわざと聞いた。すると、真顔で真帆は聞いた。
『じゃあ、好きな色は?』
『んっーと、黒かな』
『黒か……』
今度は、あからさまにガッカリしたような表情を見せた。
『ダメなの?』
『ちょっと、違うね……』
『えっ、違う?』
『ううん、こっちの話』
真帆はごまかすように言って、「最後の質問」と言って駿に聞いた。
『バイク乗ってる?』
『ああ、乗ってるよ。ビックスクーターだけどね』
『マジ!乗せてくれる?』
真帆は、それで合格点を出したように、自らそう誘った。
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