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俺は、両親は、いないが環境に恵まれていた
5月19日の昼までしか俺の幸せな日々は、続かなかった…
その日
姉ちゃんは、18時になっても帰ってこなかった
いつもならとっくに帰っていている時間なのに姉ちゃんは、まだ帰ってこない
外を見ると雨が降り始めた
俺は、オヤジとオフクロが死んだ日と同じ嫌な胸騒ぎがしていた
20時になっても姉ちゃんは、帰ってこない
心配で俺は、雨の中、姉ちゃんを探しにでた
街の中を傘もささずに走った
大通りにでるとパトカーが走っていた
嫌な胸騒ぎがパトカーのサイレン音で最悪な方向へと向かっていく
俺は、姉ちゃんの無事だけを祈りながらパトカーを追いかけた
パトカーが止まり警官達が歩いていった方へ向かう
野次馬の中を俺は、掻き分け前と進んだ
姉ちゃんは、いた
だが俺の祈りは、届かなかった
明らかに性的暴行をうけたあと胸に刃物を突き刺したように姉ちゃんの胸には、ダガーナイフが刺さっていた
「姉ちゃんっ!」
俺が大声をだし現場に入ろうとした
警官達は、当然俺を止めた
「姉ちゃんっ!姉ちゃんっ!姉ちゃん起きてよ姉ちゃんっ!」
頭では、理解していた
姉ちゃんは、死んだのだと
でも心では、理解できなかった
冷たい雨に打たれながら泣いたあの夜
大切な人に必死で叫んだあの夜
大切な人が殺されたあの夜
俺の中で研いできた牙は、守るモノから壊すモノに変わった
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