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「おい…無視してんじゃねーよ…。」
自暴自棄になったのか、残る男達は椿に武器を向ける。
「俺達もいるんだけど、忘れないでねェ~」
トラが カッと目を開くと彼らの顔が 苦痛に歪む。
力の入る首筋に脈打つ血管が見えた。
皆、口を大きく開き、脂汗が滲む…
…ア゙ァア゙……
吐血と共に声にならない声を上げ、
もがきながら地面をはいずり回り、動かなくなった。
転がった体は、まるで抜け殻。
外傷もなく、魂を抜き取られた形だけの人間。
…
……
全滅した彼らを見ながら、ターニャがポツリと言う。
「魂ってどこ行くの?」
トラは、首を傾げる。
「…知らなくていいよ。空しくなるだけ。」
椿はそう言い放つ。
見回す空にカラスが飛ぶ。羽を休め、こちらを見据える。
カァ-…
カァー…
カァー……
『早く出て行け』と 忙し立てられる気がした。
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