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雲が橙色に染まる。
昨日、見えた月は もうない。
疲れた顔のターニャの機嫌は最悪だ…
人の住む所は見当たらず、だだっ広い草原を歩く。
「椿…お前さァ…」
椿は呼び声に振り返り、潤んだ笑顔で答える。
「俺…変わったよね。
殺されるって思った時、急に 心の枷が外れたみたいに…
生きる事への執着が強くなった。
実際、俺の邪魔する奴は、死ねば良いって思った…勝手に体、動くし…
俺…頭おかしくなッタ」
「短い間にいろいろあったからなァ…神経がだいぶ疲れてんだろ。」
それ以上の言葉を遮るように、
椿の頭をクシャっと撫でて、会話を終わらせた。
不自然なトラ…
いつもなら 茶化したりするはずなのに…
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