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トラは 疑問を繋ぎ合わせる。
椿の容姿…行動…
『死』に直面するたびに変化する…
彼が ただの人間ではない事ぐらい察しがつく。
想像を遥かに越えた運命が待ち受けている。
そう思えずにいられない。
「…お前が誰だろうが、ついて行くよ…」
小さく呟いた声は、風に掻き消された。
澄んだ青から藍に変わる空…
長く伸びた影も薄くなる。
「あー!もー無理!歩けない!!」
ターニャが奇声を発し出す。
「お前が文句言わなきゃ野宿でもなんでも 休めるんだよォッ!!」
トラの言葉にターニャはふて腐れる。
笑顔の椿。
今、笑える事を 大切にしようと感じ、トラは笑った。
この先 待ち受ける物がどんな未来であろうと、
時を重ねる度、確実に近付く…
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