暁の星。

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厚く張る雲の隙間から、まばゆい程に降り注ぐ放射光。 直感した… 「…………神……」 その姿を直視する事なく、 俺の意識は 深海らしき闇に落とされ、 酷い耳鳴りに頭を揺さぶった。 感覚のない両手足…… 消滅しつつある肉体に気付く… 死の恐怖がないのは幸福な事だろうか? その 宙づりにされた意識も ゆっくりと尽きようとしていた… 《私の元へ戻れ…》 引き戻された俺の内部に響く男とも女ともつかない澄んだ声… 何故か いぶかしさを感じる… 戻りたくない… 強く念じ、抵抗する。 《私から逃げるつもり? こ…な事で 諦……とお…う…》 次第に鈍く、聞き取れなくなり… 死という安息に俺は 飲み込まれた… そして…現在…… 以前とは、違う肉体に魂を宿し… 神の血を受け継ぎ生まれた俺に…… 恐れる物などない…… 肉体の他に、以前との違いを感じる… 理想論…?革命…?聖戦…? どれも、バカバカしい… 今、心にあるのは…… そう 『破壊』………
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