出発

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光を抜けて、暗闇の中。視界を覆う張り付いた髪を上げた。 黒い灰があった。 声を殺して泣いていた。 それと……誰か、もう一人…… 手に鈍く光る銃を持ち、操り人形の糸が切れたみたいに、地面に落ちていた。 顔を出したセレナが泣いた。 乱れる心の音が聞こえた……やり切れない思いが、爆発しそうだった…… 未来が見えると言った彼が、殺された…… そして、加害者を殺し、残った男は泣いた…… 巻き込まれ無かった自分を幸いと思うか…… 何も出来なかった自分を不幸と思うか…… 僕は、何も考えたく無かった……
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