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①ずでに失われていた主人公
この物語のもう一人の主人公は、"紅世の徒"に存在を喰われて死んだ『本物の坂井悠二』の残り滓……そこから作られた当座の代替物・トーチたる少年である。本来ならば『彼』も他のトーチ同様、残された"存在の力"を徐々に消耗し、人知れず消え去るはずだった。
しかし、彼には秘密があった。彼の内には、毎夜零時にその日失った"存在の力"を回復させる、"紅世"秘宝中の秘宝『零時迷子』が、何処からか転移していたのである。この、時の事象に干渉する宝具の力によって、彼は『坂井悠二本人ではない代替物たる自分』として存在し続けることになる。
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