坂井悠二

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②坂井悠二の日常  『本物の坂井悠二』は現実として既に死んでいたが、その後に残された『今ここにいる坂井悠二』は、人間としての死を実感できず、また自らを人間であると感じていたい自我の欲求から、日常を普通の高校生として、『生前の坂井悠二』と同じように送ってゆく。  フレイムヘイズたる異端者・シャナが生徒として紛れ込んだ御崎高校での日々を過ごす内に、いつしか彼は、本物の自身の死を、今ある代替物たる自身の立場を、忘れてゆく。
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