38人が本棚に入れています
本棚に追加
③アトリウム・アーチの初デート
池速人の助力を受け、吉田一美はようやく、坂井悠二と念願の初デートを実現させる。
そこは、新しいビルの中にある美術館、清澄華麗なガラス工芸展。ところが、その素晴らしくあるべき日も、二人して気を遣い合い、時が過ぎるばかり……すれ違い、互いに違和感を感じるばかり……そんなとき、一人の老紳士が彼女らの前に現れる。坂井悠二は、この老紳士・ラミーとの会話に気を取られ、あまつさえ別の、一人の少女を想っていることを、吉田に感じさせてしまう。
坂井悠二との初デートは、吉田にとって必ずしも良い結果で終わったとは言えないものだった。しかしそれでも、彼女は笑って悠二に言う。「また、誘いますから!」と。
最初のコメントを投稿しよう!