機関銃

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機関銃

日本では連射ができる銃は全て「機関銃(マシンガン)」と呼ぶ傾向があるが、アサルトライフルや短機関銃とは区別して考えるべきである。 機関銃とは、フルオート射撃で弾幕を張り、迫る敵を薙ぎ倒し、隠れている敵の頭を上げさせないようにして反撃を封じる、戦場の面的制圧を目的とした兵器である。 基本的にフルオート射撃を前提としてる為、耐久性を優先して設計されている。 精度や軽量性は二の次なので、射撃の際には二脚や三脚が不可欠である。しかし、数人の兵士で部隊単位の敵を撃滅できる悪魔の兵器と恐れられた。 現在でも、機関銃手は指揮官や通信手と並ぶ「早急に狙撃すべし敵」リストの上位に名を連ねている。 運用目的である弾幕形成を果たす為には、射撃を途切れさせてはならない。 そこで、箱型弾倉ではなく、弾薬を長く連ねた「弾薬ベルト」を用いる。 また、長時間の射撃による銃身の加熱や損耗を防止するために、簡単な手順で銃身を交換できるようになっている。 この2点が、同じように連射ができるアサルトライフルや短機関銃とは決定的に違う点である。 機関銃は、運用目的により、重機関銃、軽機関銃、汎用機関銃の3つに分けられる。 ・重機関銃 19世紀末に実用化された機関銃は、全て重機関銃だった。 機関銃は陣地や要塞に据え付ける防衛兵器として使用されていた。 日露戦争での旅順攻防戦では、双方が機関銃を使用したが、当時の機関銃は重く攻め手の日本には使いにくかった。 このように重機関銃(ヘビーマシンガン)は主に陣地防衛に本領を発揮する。 三脚に固定することで、三脚の重量と地面との接地圧で非常に安定する。 三脚に固定してしまうと、容易には動かせなくなるが、1km以上離れた敵にも射撃をすることができる。 射手、給弾手、銃身交換手の3人で運用される。 給弾には弾薬ベルトを使用する。 ・軽機関銃 軽機関銃(ライトマシンガン)は、第1次世界大戦で、敵の塹壕に突撃するため、1~2人で運用できる機関銃として生まれた。 射手と給弾手の2人で運用される。 給弾方法は、ベルトの他、ドラムマガジンなども使用できる。 第2次世界大戦では、ドイツがMG34やMG42という新機軸の軽機関銃を使用した。 これらは軽機関銃のように機動性があり、三脚を付ければ重機関銃として、パーツを組み換えれば対空機関銃、車載機関銃として運用できた。 これらの機関銃は、後の汎用機関銃となる。
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