ACT.2-BAND!-

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  「面白ぇ、オレが勝ったらバンドに入ってくれるんだな?」 そう言って吉本もローファーを脱ぎ、スニーカーソックスまで脱いで裸足になった。空手経験のある吉本としては、革靴より裸足のほうがやりやすいらしい。 「おいおい、マジでやんのかよ!?」 喧嘩反対主義者の奈良はどうしていいかわからなかった。目の前でいかついヤツと変態が睨み合い、今にも闘いそうなのだ。 また、彼には吉本がその場にいることが不自然で仕方なかった。今まで、吉本が喧嘩する姿はモチロン、マジギレした姿さえ見たことがないのだ。 だが、今の吉本は本気である。目が戦士の目だ。それは磯貝も同様。   「来いよ、転校生…」 「ケンカ売ったのはオレだ、主導権握った気になってんじゃねぇ…!」 多摩川の土手は今まさにリングになろうとしていた。  
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