ACT.3-BATTLE!-

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  そのまま彼はコンクリートの階段を上り、鉄道橋真下のサイクリングロードに停めたピンクの原チャリにまたがった。 「おい、逃げんのかよ…!!」 必死にそう叫ぶ吉本。 だが、磯貝はその問いには答えない。変わりにちらっと振り返り、こう言い放った。 「明日、学校に自分の楽器持ってこい」 「「はぁ!?」」 それだけ言い残し、磯貝はピンクの原チャを発進させて去っていってしまった。       赤みをさらに増したコンクリートの土手に取り残された二人。辺りには、釣り人の振った竿が宙を切る音だけが響き渡る。 「なぁ…」 奈良が言った。 「ん?」 吉本が応じる。 「あれってさ」 「うん」 「バンド組んでくれるって事?」 「…。あっ、そっか」 そう、磯貝はバンドをする気になってくれたらしい。 「やったあああああああ!!」 嬉しさのあまり叫ぶ吉本。直後、戦闘ダメージにより転倒。   「なんかウゼェ奴だけど、やってみるか…」 奈良は磯貝が去った方向に向かって、そう呟いた。    
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