1人が本棚に入れています
本棚に追加
/26ページ
高い高いその塔は
雲に頭のてっぺんが
触りそうなくらいだった。
塔の窓から
青い空に流れていく雲を
見つめてため息をつく少年。
すると、
廊下から足音がした。
少年は急いで
近くにあった縄で
自分の体をしばった。
ガチャ
「入れ」
「ふぎゃあッ」
ドサッ
ガチャン
うさぎが
部屋の中にいれられた。
少年は不思議そうに
自分の縄をほどきながら
うさぎを見た。
「なんで捕まった?」
少年はうさぎにたずねた。
「………。」
うさぎは投げられて地面にぶつけた肘を気にしながら
うつむいて何も話さない。
最初のコメントを投稿しよう!