復讐と憎悪の渦

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それから、一週間。 俺は今までと 何一つ変わらない 平凡な生活を送っていた 復讐が進まないまま 時間だけが過ぎていく。 そんな現状に 焦りを感じながらも 俺はどうする事も出来ずにいた。 「……海斗さん?」 控えめなフェリアの声で現実に引き戻された。 「どうか、しましたか?」 「あ、いや………なんでもない…………」 そう言って、吸いかけのタバコを灰皿に押し付けた 「そうですか………」 フェリアはどこか納得していない様子で頷く。 「また、紗夜さんのことでも考えてたんですか?」 思わずドキリとする。 「………図星、ですか」 「煩いな、なんでも良いだろうが」 自然と口調がきつくなる 「そうですね、余計な詮索でした」 少しだけ 悲しそうな表情を浮かべフェリアが視線を反らす 「あ、悪い…………」 フェリアに当たっても どうしようもないのに そんなことわかってる! でも…………… 「そろそろ頃合いですね」 そんな俺を見ていたフェリアはどこからともなく黒い手帳を取り出す。 「まだ少し早い気がしますが、そろそろ復讐してみますか?」 「…………何?」 俺の心の中を見透かしたような発言。 「どういうことだ?」 「言葉の通りです、あなたの待ち望んでいる復讐ですよ」 フェリアは事もなげに 言うと、手帳を開いた。
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