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「ダメだ!話したらあいつらに殺され…………」
フェリアの拳が
木村の顔面を捕らえた。
耳を塞ぎたくなるような生々しい音が響く。
「今死ぬのと、後から死ぬの、どっちがいいか選ばせてあげます」
「わ、わかった!わかったから許してくれ!」
木村は情けない表情で
懇願すると
仲間の居所をポツポツと語りだした。
「これで全員ですか?」
「ああ!そうだ!だからもう許してくれ!」
「………それは海斗さんが決めることです」
フェリアが振り向いた。
「さぁ、海斗さん………貴方の出番です」
俺は拳を握りしめると
木村の前に進みでた。
「ひぃっ!!」
「許すと、思うか?」
「わ、悪かった!だから許してくれ!」
虫酸が走る。
「黙れよ」
木村の顔面に
蹴りを叩き込んだ。
「悪かった?許してくれ?ざけんじゃねぇぞ!」
何度も、何度も拳を
打ち込む。
「あ、あぁ………」
赤く染まった木村の顔を降り出した雨が洗っていく。
「お前らだけは許さねぇ……アイツと同じ苦しみを味わってもらうぞ!」
すぐには殺さない。
苦しめて
絶望を味あわせてからだ
木村の指を
軽く踏み付ける。
「や、やめろ、やめてくれ!」
「嫌だね」
足に、力を込める。
小気味の良い音が響いて
木村の指があらぬ方向に曲がった。
「あがぁぁぁぁぁ!!」
狂ったように悲鳴を
あげる木村を見下ろして俺は呟いた。
「まだまだこれからだ………夜は長いぜ?」
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