27人が本棚に入れています
本棚に追加
錆びたドアの前で
立ち止まる。
この向こうに
フェリアがいるはずだ。
「………よし」
俺は、ドアをゆっくりと開けた。
「待っていましたよ、海斗さん?」
不気味な笑顔を浮かべるフェリア、その足元には
死体の山。
「あんまり遅いので終わってしまいましたよ?」
「フェリア……お前何を…………」
物言わぬ骸とかしていたのは、俺が殺したいほど憎んでいた奴ら。
遠藤…………
鈴木…………
笹野…………
松嶋…………
そして木村………
「みんな、貴方の怨んでいた人ばかりですよ?」
「…………………」
「あれ?嬉しく無いんですか?みんな死んで貴方の復讐は終わったのに…………」
手近にあった死体を蹴り飛ばすフェリア。
「……………」
確かに、復讐は終わった
だが……………
すっきりしない。
手を降したのが俺じゃないからなのか?
「復讐も終わったことですし、ちょっとお伽話話でもしてあげましょう」
そういうと、フェリアは微笑んだ。
「一人の少女に躍らされた、哀れな男の子の話です…………」
最初のコメントを投稿しよう!