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白い天井。
薬臭い空気。
「ここは………」
病院のようだ。
「何でこんなところに………」
体を動かそうとすると、身を引き裂くような激痛が走った。
「っ!?」
ベットに倒れ込む。
「目が覚めたのか」
声のした方に顔を向けると、そこによく見知った少年が座っていた。
「あ、博人……………」
鹿島博人(かしまひろと)
同じクラスの幼なじみの少年だ。
「無理に動かない方がいい」
そう言って、博人は俺に労りの視線を向ける。
「無事でよかったよ、後を付けた甲斐があった」
皮肉な笑顔を浮かべる博人。
「………付けてたのか」
全く気付かなかった。
「あぁ、最近お前の様子がおかしいからまさかとは思ってたけど、死神と繋がってたとはな……」
肩を竦める博人。
流石は幼なじみ。
何でもお見通しって訳か
「って博人、お前今死神って言ったか?」
「ああ、言ったよ」
聞き流してしまいそうになったが、今博人は確かに「死神」と言う言葉を口にした。
「俺の家系は代々死神を封じて来た、今回も例外じゃないって訳だ」
故に、と付け加えて、博人はポケットから何かを取り出した。
「俺はお前を始末しなければいけない」
白銀に輝くナイフ。
「博人っ!!」
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