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タバコを買う為に
外に出たはずなのに
俺は無意識のうちに
ある場所に向かっていた
「久しぶりだな……」
中学校の屋上
紗夜との思い出の場所。
「あの日以来、か……」
ここに来るのは
アイツが死んだ日以来だ
そういえばアイツ
ここから見る景色が
好きだったっけ…………
「……………」
俺は何を言ってるんだ?
忘れたいんじゃ
無かったのか?
「バカバカしい……」
フェンスに
拳を叩きつける。
けたたましい音をたててフェンスが揺れた。
「…………」
苛立ちが、消えない。
酷く腹が立つ。
情けない自分に
忘れられない自分に。
「……………」
忘れたい。
忘れられるのなら
忘れてしまいたい……
「それで、良いんですか?」
その声に振り返ると
いつのまにかそこに
奇妙な服に身を包んだ
少女が立っていた。
「本当にそれで、良いんですか?」
少女は同じ言葉を
繰り返しながら
冷たい笑みを浮かべた。
「復讐に、協力しましょうか?」
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