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出口だと思っていた場所は広い空間だった。
ヒトナリは広い空間からトンネルに向かう前に生存者に黒い物体について話をした。
「あの黒い物体は人の強い怨みが生み出した物です。
それが人を襲い殺すのです。
」
みんなは真剣に耳を傾けた。
「黒い物体の正体は鉱山で働いていた…
作業員たちですよね?
井端さん?」
その瞬間、誰もが井端サンを見た。
「少年よ。その通りじゃ。」
みんなはザワついた。
「ワシは当時、鉱山で働く作業員1000人の中の一人だった。
鉱山で働くしかないワシらを上の者は虫けらのように扱ったのじゃ。
労働時間は18時間以上であり、睡眠は愚か…食事すら…まともにもらえなかった。
そして、死んで行くものが続出した。
ある日、死者を埋葬した穴を誰かが掘り返したんじゃ。
その犯人は上司だった。
死者の頭がい骨を部屋に飾っていたのだ。」
「酷い…。
何故そこまで…?」
ノリコの問いかけに少し考えて井端おじいちゃんが話した。
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