アクシデント

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    再び陽気を取り戻した男はへらへらと笑って銃をホルスターにしまった。   「悪かったなボウズ。で、そいつの中身はなんなんだ?」   「・・・あんたもしつこいなぁ。危険物でもなければ、別に大した物でもないよ」   アタッシュケースを男から遠ざけるように持ち直して言う。   「さっきは大切な物って言ってたじゃねぇか」   「あぁ。大切な物だけど・・・一般的には、大した物じゃないんじゃないかな」   頬を掻きながら俺がそう答えると、4人は頭の上にはてなを浮かべていた。   「回りくどいな、単刀直入に言えねぇのか?」   じれったそうに男が言う。   「・・・言えないな。 中身を教えると狙ってくる奴も出てくるし、プロジェクトに支障が出る可能性がある」   俺が強気にそう言うと、男はつまらなそうに小さく何度も頷いた。  
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