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数十分後、俺らが連れて来られたのは人気のない古びた建物だった。
その中の一番隅にある部屋に通されると、外側から鍵をかけられた。
窓も灯りもない。真っ暗で湿っぽい部屋。
外から微かに聞こえるあの覆面達の声が現実味を出している。恐いぜ。
暗闇にやっと目が慣れてきて、他の4人の輪郭が確認出来るようになると、辺りを歩き回っていたあの目付きの悪い少年がその場に座りこんで、俺らは円を描くような形になった。
少年が舌打ちをしながら言った。
「ドアの内側の鍵が無いどころか、ドアノブ自体がねぇ。この部屋、完璧に監禁目的で作られてるな」
か、監禁!?なんて物騒な響きだよ・・・!
それにしても、なんで皆落ち着いてられるんだ?
荷物もあいつらに取られちゃって手も足も出ないのに、あの小さな男の子でさえ慌てた素振りを見せずに体育座りなんかしてやがる。
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