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「なぁ・・・明かり、つけてもいいか?」
一瞬、シラケた。
全員の視線を感じる・・・
「何言ってんだ。荷物なら全部あいつらに取られただろ」
なげやりに言うところ、俺と同じように半分諦めてるんだろうな。
思った通りの反応をされて、俺は困ったように笑って言う。
「それが、さ。俺も忘れてたんだけど、あいつらは俺の荷物がケースだけだと思ったみたいなんだ。本当は俺、ポーチ持ってたりするんだよな」
そう言いながら、俺はコートで隠れていたポーチの中のロウソクとライターを取り出した。
「助かるぜ。やるじゃねぇかボウズ」
「へへ、どうも」
ロウソクに火をともすと、さっきよりはうんと部屋も明るくなった。
皆の顔が見えると、なんだか心強い。
俺は安堵のため息をつき、4人を見渡す。
「で、これからのことなんだけど、皆で協力して脱出するってのはどうかな?」
「まぁ、必然的にそうなるな」
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