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「じゃあさ、一人ずつ自己紹介しないか?名前とか知らないと不便だろ?」
「・・・他人に自分の素性を明かすのか?」
背の高い男が無表情にそう言った。
確かに一理ある。中にはなにか企んでる奴だっているかもしれないし、ましてやさっき会ったばっかりの正真正銘他人同士。
警戒するなという方がおかしいくらいだ。
でも、話は別だ。今は協力しようって案が出て(俺が出したんだけどさ)、まさに同盟みたいなのを組もうとしているのだから。
「なんだよ、別に信用ないなら偽名でもいいぜ。名前が呼べればいいんだから。俺は本名名乗るけどな」
俺がそう言うと、男は納得してうなずき、何か考えるようにして上を見た。
「誰から行く?」
俺が促すと、目付きの悪い少年は帽子を更に深く被って言った。
「・・・最後でいい。」
「そうか、じゃあ言い出しっぺの俺から時計回りで行くな」
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