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「俺はジオット。列車でも言ったけど旅の初心者中の初心者だ。足引っ張らないように頑張るよ」
挨拶はキチンと、そう教えられている俺は、片手を胸に当ててはっきりと言った。
周りの反応はイマイチだったが、このメンバーならなんとなくこうなるとわかっていたため、特に気にすることもなかった。
隣の男の子が続いた。
「コリーって言うんだ。よろしく」
コリーはえへへ、と照れ臭そうに鼻をこすって座り直した。
次は背の高い男。
少しだけ周りに目を向けると息をつきながら言う。
「アルヴァだ。」
陽気な男は周りを確認すると、一段と楽しそうに俺を見た。
「俺はカーライルだボウズ。本名だぜ」
古びたウェスタンを紳士風に軽く脱いで男が言った。
何故俺だけに言ったのかはわからないが、やっぱりこの人が一番人当たりがよさそうだ。
俺は自己紹介を終えていない残り一人の帽子の少年を見やった。
それに反応して、少年は涼しい顔をして立ち上がった。
帽子を脱いで皆を見下ろす。
(え・・・・!?)
髪をうっとおしそうにかきあげる少年を見て、俺達は凍りついた。
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