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「私はラギィ」
帽子で隠れていた長い睫毛と切長だけど大きめの目、腰よりちょっと上あたりまで伸びた柔らかい髪。
どうして気付かなかったんだ。
(女の子・・・・!?)
俺達の反応を嫌に思ったのか、眉をしかめながらラギィは強く言った。
「旅人に女がいちゃいけないなんて決まりはねぇぜ」
ラギィは帽子に髪をしまい、乱暴にまた床に腰を下ろした。
「そ、そうだな!良いと思うぜ!」
動揺しつつも俺が少年改め少女に親指を立ててフォローすると、少女はため息をついて目を反らした。
(・・・気に触ったか?)
彼女の態度にそわそわしている俺をよそに、カーライルは前に屈んでにやりと笑った。
「さて、作戦会議といこうや」
「あ、あぁそうだな。」
ようやく本題に入ることになり、俺は無理矢理気を引き締めて前に向き直った。
みんなの顔が下からのロウソクの光に照らされて怪しげな雰囲気を出している。
いかにも、カーライルが言った作戦会議みたいだ。
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