1人が本棚に入れています
本棚に追加
アルヴァが、顔に似合わない間の抜けた顔をしながら言う。
「お前、もしこういう状況に直面したらどう対応するつもりだったんだ?武器は持ってるのか?」
俺は少し考えてから、言い訳するみたいに手振りをしながら返す。
「・・・目的地につければ良かったから、荷物を運ぶってこと以外何も考えてなかったんだ。こんな物騒なことがそうそう起きるなんて思わなかったし」
俺は当たり前のように言ったけど、周りの旅経験者様方は信じられないとでも言うような眼差しで俺を突き刺してくる。
「旅、なめてるだろ」
ラギィがとことん呆れた様子で手の平を振った。
「知らなかっただけさ。
人との対峙どころか喧嘩もしたことないけど、まぁとりあえず頑張らせて貰うよ」
答えるついでに自分なりに決意表明した俺は、厳しい2人にまた何か言われない内に既に部屋の外へ向かっていたカーライルに続いた。
それに気付いたカーライルは陽気に笑いながら、首だけをこちらに向けて言う。
明らかに、からかってる顔だ。
「ボウズ、機会があったら銃の扱い方教えてやるよ」
「ジオットだって。機会があったら・・・・よろしく頼むよ」
馬鹿にされるわ、からかわれるわで散々な状態の俺は、どうでも良い返事をカーライルに投げ捨てた。
最初のコメントを投稿しよう!