アクション!

13/19
前へ
/48ページ
次へ
  廊下に出て横に顔を向ければ、木製のドアが2つ確認出来た。   「さて、どの部屋から入るかねジオット君」   「え、俺っ!?」     この状況を腕を組んで渋々見ていたカーライルが視線を変えずに俺に言った。   何回目かわからないけど、俺に全員の視線が集まっている。俺の発言を待ってる訳だ。   なんかこう、これから先は経験の多い奴らに任せるつもりでいたから、これっぽっちも策を考えてなかったりするんだよな。 「言ってみろ」 「う…ちょっと待ってくれよ」 列車の時みたく脅すように言うから、俺は更に緊張した。 「じゃあまず、人のいない所から入っていこう。 そっちの方が安全だし、ついてたら苦労なく荷物が取り返せるだろ ドアに耳宛てたら、中の物音確認出来ないかな」 精一杯考えて言うと、皆に「その通り」とでも言うように頷かれた。 「さっさとやろうぜ」 皆が足音を立てないようにゆっくりと先へ進んでいく。 即席の提案の割に、思いの外行動が早い。 あれ?もしかして俺、試されてたのか?   怪訝な顔をして立ち止まる俺の背中を満足そうにたたいたカーライルは、なんとも憎たらしい笑顔を俺に向ける。 「初心者のわりになかなか鋭い考え方じゃねぇか。その調子で頑張れよ」   うん、俺、頑張ろう・・・ とりあえず、旅初心者って理由でこのおっさんに遊ばれなくなるくらい。  
/48ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加