旅に延びる路

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  「・・・・」 (旅人、かぁ・・・)   後ろから目を細めて皆を見ていると、足元から低い呻き声が聞こえた。 ヴォォォォォォォォ!   「な、何っ!?」   聞こえたと思ったら、今度は地面が揺れて、俺はバランスを崩して少しよろめいた。   前からラギィの声。   「ジオット、とりあえずこっちにこい!」   「何なんだ?」   言われた通り、俺はダッシュで皆の方へ向う。 すると、すぐ後ろから何かがいきなり飛び出して来るのがわかった。 その勢いで俺は前につんのめり、そのまま一回転してラギィの側に吹っ飛んだ。   振り返ると、そこには巨大で長くて固そうな、見たこともない生き物がクネクネとおぞましくうねっていた。   俺は驚きのあまり口をぱくぱくさせてその場に硬直してしまった。 その間、他の奴らは武器を手に取って戦闘体勢に入ったみたいだ。   (こんな化け物と戦うのか!?)   俺は尻餅をついた体勢のまま少し後退る。   「何やってんだボウズ」   カーライルが銃を持った手をぶら下げながら、いつものヘラヘラした笑い顔で俺の横に来ると、つま先で俺の背中を小さく突いた。  
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