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「嗚呼、これでやっと半分か・・・」
あそこからまただいぶ歩いた俺達は、ようやく列車のレールがひかれている地点まで辿りついた。
慣れない長距離のせいで、俺の土踏まずがこの上なく悲鳴を上げている。そろそろ無視出来ないくらい痛みが増して来た訳で・・・。
「なぁ、少し休まねぇ?」
少しでも休めれば、助かるんだけど。
俺はアタッシュケースを立てて置き、それに腰掛けた。
「もう疲れたのか?体力ねぇなー。」
カーライルが眉を寄せて言う。
言うだけあって、ちっとも辛そうにする素振りが無い。他の皆もそうだ。
「慣れてないんだよ」
悔しくなった俺は、すねたように短く吐いた。
うっすら浮かぶ汗をコートの袖で拭って、辺りを見渡す。
列車の線路が真ん中で2つに世界を別けているけれど、どっちも同じ様な景色しか広がっていない。
列車の窓から見たのとまるで変わらない、茶色い世界だった。
「今ここで一息つくより、近くの町にでも行った方がゆっくり休める。
日が落ちてから荒野を歩くのは色々厄介だから先に進むべきだ」
アルヴァが俺の肩を叩いて言った。
「わかったよ」
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