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「で、ここからだと何処が近いんだ?」
「最後に列車に乗って来たのは俺だったな。
乗った時間も長くないから、距離だってそんなに無いだろう。
俺が乗った駅から近い場所に小さい村があるぜ」
カーライルが間を空けずに提案した。
それについて誰も異議は無いらしく、そのまま目的地がそこに決まった。
問題はカーライルの言う<そんなに無い距離>がどれくらいかだと思うんだけど・・・
旅経験者基準で言われたって、初心者にはしっくり来ない。
既に此処までの距離でカルチャーショックを受けている訳だし。
まぁ、ここで踏ん張れば休めるんだし、気合いを入れることにするか。
俺はうんと伸びをした後、ケースを持ち上げて、先に行く皆を追った。
今回は足跡がない道を行くから、カーライルの案内だけが頼りになる。
あのおっさん、若干抜けてる所があるけど、信じるしか、ないよな・・・
しばらく進むとラギィが俺の横についた。
涼しい顔でただ前に進んでただけだったのに、俺に合わせるように速度を落としたようだ。
「どうかしたのか?」
俺が気になって訪ねれば、ラギィは目を伏せがちにして言う。
「…初めて銃を使った感想は?」
「へ?」
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