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しみじみと浸っていると、横で暗い顔のコリーが考えるように立ち尽くしているのに気付く。
「コリー、お前はどうするんだ?また何者かに追われるかもしれないんだろ?」
心配して聞いてみれば、コリーは暗い顔のまま顔をあげた。
「しばらくどこかに隠れようと思って」
「そっか・・・。
そういえば気になってたんだけど、コリーはどうして一人旅なんてしてるんだ?」
今までずっと思っていたことを訊いてみた。
すると、コリーはゆっくりと口を開く。
「僕、今までおじいちゃんと二人旅してたんだ。
でも、この間おじいちゃんが倒れて、一人になっちゃって…」
だんだん語尾が小さくなっていったコリーを、俺達は心配そうに見守る。
「親はどうした?」
ラギィがあくまで淡々と言う。それに頷いて、コリーは続けた。
「お母さんは僕が生まれてすぐに死んじゃって、お父さんは仕事とかで僕を置いてどこか遠くへ行っちゃった。」
「だから僕、おじいちゃんに預けられたんだ。
おじいちゃんは旅人だから、ずっと荒野をついて回ってた」
小さいながらに、過酷な人生を歩んでるんだな・・・
「大丈夫、なのか?」
「旅の基礎ならもうとっくに覚えたから大丈夫!」
コリーの顔が屈託ない笑顔に変わった。
そういう意味で言ったつもりじゃないけどな…
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