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「こうなったら、俺もついていかなきゃおかしいだろう。
一人だけ仲間外れは居心地も悪いしな」
「アルヴァ・・・!」
「じゃ、決まりだな」
「なんだよ、結局元のメンバーじゃないか!」
正直、少しの間だけど皆といて楽しかったんだ。
まさか、また一緒に旅をすることになるなんて・・・
旅初心者だからってからかわれるけど、経験者から教わる事はたくさんあるし、勉強になる。
変わった奴らばかりだけど、こいつらとならうまくやっていける。
そんな自信が、何故か沸いてくるんだよな・・・
「それじゃあ皆、これから当分よろしくな!」
俺が意気揚々に声をかけると、皆がそれに応じるように静かに笑った。
ここから始まる俺の旅。
ここから続ける俺達の旅。
この旅が、この世界を大きく変える手掛りになるなんて、今の俺達には知る由も無かった。
そして、この旅は俺達5人、一人一人が乗り越えなければいけない試練でもあったんだ。
荒野から吹く風を受けながら歩くように、
辛いことも悲しいことも全部受け止めて、俺達は前に進む。
ここまでの話は、これから続いていく物語の、ほんのはじまり。
俺は、夕日に照らされてオレンジに光るアタッシュケースの取っ手を、強く強く握り直した。
fin
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