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「おはよう、悠太」
僕は悠太に挨拶しながら、自分の席に向かう。
僕の席は、窓際の後ろから2番目、遥は最前列、教壇の目の前だ。
遥は勉強もかなりできる方なので、苦にならないだろうが、僕はあんな所に座らされたら、間違いなく引きこもります。
「おはよう」
席につくと、隣から声をかけられた。
「おはよう、島田さん」
島田さん、下の名前は明日香。
彼女も中学の時の同級生で、中学では学級委員を務めていた。
丸い、知的な感じのする眼鏡をかけていて、その奥の瞳はさらに知性を感じさせる。
ちなみに彼女は、下の名前で呼ばれる事を、非常に嫌がる。
彼女には裏の顔がある。
それは、
アニメオタク。
成績優秀、品行方正を絵に描いたような彼女の趣味は、アニメを観ること。
中でも人気のロボットアニメが大好きらしい。
そのアニメの中に、同じ名前のキャラがいて、島田さんはそのキャラが大好きなのだ。
僕はアニメに疎いのでよくわからないが、彼女が言うには、自分なんかが憧れのキャラと同じ名前を名乗るには、シンクロ率が足りないとかなんとか。
まあそんなことはどうでもいい。
僕、遥、悠太、島田さんの4人が、僕らが通っていた中学からこの学園に入学した。
他の友達は、違う高校に進学した。
さみしいが、それぞれが選んだ道だから、しょうがないだろう。
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