chapter.1

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僕は、けっこう人見知りしてしまうので、このクラス割りにはかなり感謝している。 話せる人がいると楽だ。 そのうち慣れて、他の人とも話せるようになるが、それまでが長いのだ。 いつのまにか、担任が教室に入って来ていた。 僕は考え事をしていると、周りが見えなくなる癖がある。 これも、遥に何回も怒られているので、気を付けないと。 僕のクラス、1―Bの担任は、高梨観月先生。 ちなみに、高梨先生は僕よりも、全然背が低い。 見た感じ、140くらいだろうか。 教壇の机に隠れてしまって、肩までしか見えない。 顔もやたらと童顔でかわいらしい。 これで28歳だと言うんだから、世の中は不思議だ。 外で見たら、間違いなく中学生だと思うだろう。 ただし、本人は自分の見た目を、かなり気にしているので、その事に触れるのはタブーだ。 初日に、悠太が散々からかって確認したので間違いない。 「はいはい~、ではホームルームは終わりです~。今日は私の授業はないので、帰りにまた来ますね~」 そう言って、高梨先生が教室を出ていった。 大人に見られたいなら、まずあの気の抜けたしゃべり方を直すべき、というのは1―B全員の共通認識だろう。
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