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僕は遥に追いつくと、並んで歩き始める。
ちょっと息が上がっている。
僕、姫島幹也は、あまり体力に自信がある方ではない。
身長166cm、体重49kgと、けっこう小柄な体型だ。
対する遥は、身長が170cmもあり、並ぶと見下ろされてしまう。
実はちょっと気にしていたりもする。
遥は、全然気にしていないようだが、せめて遥よりは高くなりたい。
まだ15歳だし、これからの成長に期待しようと思う。
僕らの通う、私立白峰学園は、僕の家から徒歩で15分程の場所にある。
僕がこの学園を受験した理由は1つ。
近かったから。
僕は朝が弱いのだ。
朝はできる限り寝ていたい。
特にやりたいことがある訳ではなかったから、そんな理由で高校を決めてしまった。
隣を歩く遥を見てみると、太い油性マジックで「不機嫌です!」と書いてあるような顔をしていた。
「あの・・遥?怒ってる?」
それでも、一応聞いてみた。
「怒ってないよっ!」
完全無欠に怒っていた。
遥は一度怒ると、なかなか機嫌を直してくれない。
「大体、なんで毎日毎日起こしに行くと寝てるのよ!たまには、起きて迎えてくれてもいいじゃない!」
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