21人が本棚に入れています
本棚に追加
やばい・・・。
かなり怒ってる・・・。
「ごめんね?これからはできるだけ起きるようにするから・・」
僕は必死に謝る。
遥は怒ると本当に恐いのだ。
昔プールに行ったときに、ケンカになり、水中に沈められた時は、本当に死ぬかと思った。
「知らないよっ!幹也なんか死ぬまで寝てればいいんだ!」
きつい一言に、ちょっと気持ちが沈む。
確かに、毎朝ちゃんと起きられない僕が悪いのだが、そこまで言われると、さすがにへこむ。
僕はしゅんとしてうつむいた。
しばらく2人とも無言で歩く。
・・・沈黙が痛い。
すると不意に、遥が口を開いた。
「・・もう寝坊しない?」
「うん!絶対しない!」
だいぶ怒りが鎮まってきたようだ。
このチャンスを逃すと、いつまでこの状態が続くかわからない。
「・・本当に?」
「うん!これからは気を付けるよ!」
僕は必死に謝罪する。
僕は笑っている遥が好きなのだ。
怒っている顔は、あまり好きではない。
・・恐いし。
「じゃあ、許してあげる。本当に気を付けてよ?」
遥の顔から、怒りが消え失せ、いつもの微笑みが浮かんだ。
僕はこの笑顔を好きになったのだ。
最初のコメントを投稿しよう!