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下駄箱で靴を履き替え、教室に向かってラストスパートをかける。
1年生の教室は5階にある。
5階までの階段を駆け登るのは、なかなかきつい。
僕はもう肩で息をしている。
階段を上りきり、最後の直線である、廊下を走る。
廊下を走るな?
今はそんなことを言っている場合ではない。
ゴールまで後、5、4、3、2、1m。
着いた!
教室のドアを、横にスライドさせ、開くと・・・先生はまだ来ていなかった。
間に合った・・。
僕は遥と顔を見合せ、深く息を吐くと、その場に座り込んだ。
「おはよう、姫島、桜井。今日も仲がよさそうでうらやましいよ」
中学の時に僕や遥と同じクラスだった、平山悠太が声をかけてきた。
普段はふざけているが、何かあった時は頼りになる奴だ。
「そんなことないってば!からかわないでよ、もう・・・」
遥は恥ずかしそうに、自分の席に歩いていく。
ちなみに俺と遥の関係は、すでにクラス内では公然の秘密となっている。
入学式から一週間、毎日一緒に登校してきて、お互いに名前で呼びあっているのだ。
もちろん用事がなければ、帰りも一緒だ。
これで気付かない方がおかしいだろう。
僕も最初は気恥ずかしかったが、もう慣れてしまった。
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