別れと始まり

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朝が来た、いつもと同じ朝だ。 ただ、ちょっと違うのは尻尾が分かれた黒猫が一匹増えているだけ。 外は小鳥達が囀り、日差しは窓をすり抜けて部屋を照らしている。 俺は寝ているクロを起こさないようにベッドから下り、部屋の中にあった濡れおかきの袋を開封した。 ほんのりとしょうゆの香ばしい香りがして、俺の食欲もそそられたが、今日は我慢してクロに全部あげる事にした。 さて、今日は土曜だ。 何をするかはもう決めてある。 桜花とデートだぜイエーイ。 内心心踊る感じだ、だが決して面には出さない。 顔がにやけて不気味だからだ。 まぁデートと行ってもこの田舎町じゃ行くところもないのでブラブラとハイキングになってしまう。 まぁそれも良いだろう、俺達二人とも人ごみは嫌いだからな。 とは言っても映画館の一つや二つはあって欲しい………… いや、まぁ無いわけではないのだが、古い映画ばかりで話についていけない。 とまぁ、そうこうしている内に準備は出来た。 首には桜花から誕生日に貰った赤瑪瑙の首飾りを身に付けている。 リンボーン、リンボーン………… 今回は正常にベルらしく鳴ってくれた。 俺が戸を開けると俯いていた桜花がいた。
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