1461人が本棚に入れています
本棚に追加
マロイさんは困った顔で皆にこう言った。
「先程も言いましたが、この国では夜に…それも暗い森の中では何が起こるかわかりません。腹を空かせた野犬もいるので一歩間違えれば食い殺されてしまいます。ですから夜に森の中へ入るのは止めて下さい…」
そう言って軽くお辞儀をし、使用人と一緒に椅子を立て、皆に食事を勧めた。
俺と隼人は皆川が心配になり、皆川の後を追いかけた。
まだ暴れていると思った俺らは、防御体制になりながら皆川の部屋に入った。
「皆川…?」
予想に反して皆川は大人しく、双眼鏡越しに森を見ていた。
「何かあった?」
俺の問いに皆川は
「森の奥に小さい小屋があるの…その中に人影があったような気がしてさ。」
「どれ?」
俺は皆川から双眼鏡を借りて、小屋を見てみた。辺りは風が吹いているのか、木々が少し揺れているだけで人影は見えなかった…
最初のコメントを投稿しよう!