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あづみは自室に戻ると電気をつけるよりも先に拓海と繋がっていた腕を胸に抱いた。
こんな事で自分の想いが拓海にもっと伝わればいいのに。
まるで少女の様に夢見る自分を小さく笑う。
彼女はひとしきり拓海の温もりを抱きしめた後、自分を拘束する衣服を全て脱ぎ去って、壮絶に淫らな蜜にまみれた茂みを弄り始める。
秘部を弄る指が拓海の指なら、今のあづみは一瞬で果ててしまうだろう。
ガクガクと膝を震わせ、壁づたいに部屋の電気を探した。
その間も決して秘部を弄るのを止めない。
今にも崩れ落ちそうに震える膝を進めていき、遂に室灯のスイッチを見つける。
パチッと電気のスイッチを切り替えると、部屋の中央に吊された小型のシャンデリアに明かりが灯り、部屋の全貌を明らかにする。
足を大きく開き、M字を描く体勢でその場に座り込み、秘部に指を挿入した。
自身の内壁を徐々に速度をあげ、かき回す。
内側のピチャピチャと湿った音が、1人きりの室内にただひとつ響きわたる。
「ぃ……ぃぃ…ぅ…」
やがて全身を駆け回る快感に声を殺しきれず、微かに吐息が漏れ始めた。
このままでは一匹の雌として大声で鳴くまで時間はかからない。
次第に脳内に快感を感じ空いている手も胸の膨らみを鷲掴みにして揉みしだく。
激しさが増していく一方、あづみは身を捩り壁にすがりついた。
もう少し、あと少しで絶頂を迎える。
だからだから………
最期の瞬間は……
愛する人に見て欲しい……
「…ぁ見てる…ぅ?ぁあぁあ…たくみぃ…」
彼女は壁に向かって話しかけた。
壁……正確には、そこにある写真へ……
そこだけではない。
全方位。
彼女の部屋一面を取り囲む無数の「拓海」
それらは、あづみが絶頂に達し身体を痙攣させるのを確かに見届けた。
「ぁ……はぁ…たくみ…愛してる……」
すがりつく壁に貼られた写真の一枚……正面を向く拓海に、彼女はそっと唇を寄せた。
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